
以前、以下の記事で「単利」と「複利(配当再投資)」での資産の増加の比較をしました。
👉 複利(配当再投資)のすごさ、資産と配当金の増加比較(単利、複利)
そこで主張したかったことは以下の3点です。
- 複利の場合は単利と比較すると、資産が2倍になるのに要する期間は約2/3である
- 複利では資産も配当金も指数関数的に増加する
- 単利で資産が2倍になるのは30年後、複利ではそのわずか2年後に資産は3倍になる
これはこれで十分にすごいことです。しかし、「満足できるだけの資産形成ができるのは一体いつになることやら……」といった気分になる方もいると思います。
株式投資には「増配」がある
株式投資においては、上記のシンプルな複利計算では考慮していない強力な要素があります。
それは、
- 増配
- 追加投資
です。本記事では、このうち**「増配」**を考慮したシミュレーションを行います。
増配とは
増配とは、企業の業績拡大や株主還元努力により、配当金の額を前の期より増やすことです。
例えば、ある銘柄に100万円を配当利回り3.5%で投資したとします。その時に得られる年間の配当金は3.5万円です。
もしこの企業が10%増配した場合、利回りは 3.5% × 10% = 0.35% 増加し、実質利回りは 3.5% + 0.35% = 3.85% に跳ね上がります。つまり、受け取れる配当金が年間3.85万円に増えるということです。
日本株を中心に投資している方からすると、「そんなに都合よく増配なんて続くの?」と思われるかもしれません。日本株で何十年も増配し続けている企業は、花王などごく一部に限られるからです。
アメリカ株には、何十年も増配し続ける企業が多数存在する
しかし、世界(特にアメリカ市場)に目を向ければ、毎年連続して増配を継続している企業がゴロゴロ存在します。S&P500の構成銘柄の中でも、15年以上連続増配している企業は約100社、25年以上連続増配している「配当貴族」企業も50社以上存在します。
「単利」vs「複利」vs「複利+増配」の資産増加シミュレーション
継続的に増配してくれる優良銘柄に投資を行うことで、通常の複利(配当再投資)よりもさらに爆発的なスピードで資産を増やすことが可能になります。
イメージしやすいように、以下の3パターンで比較してみましょう。
| 比較対象 | 投資金額 | 初期利回り | 年間増配率 |
|---|---|---|---|
| 単利での運用 | 100万円 | 3.5% | 0.0% |
| 複利(配当再投資)での運用 | 100万円 | 3.5% | 0.0% |
| 増配銘柄での複利(配当再投資) | 100万円 | 3.5% | 5.0% |
投資期間25年の資産推移
資産の増加度合いが「複利+増配5%」で突出して大きいため、まずは25年のグラフを見てみましょう。

増配を繰り返す銘柄は、25年後には通常の複利を大きく引き離して資産が急拡大しているのが分かります。
投資期間50年の資産推移
さらに長期(50年)で見ると、衝撃的な差になります。

通常の複利運用でも単利に比べればすさまじい勢いで増えているはずですが、「増配率5%の配当再投資」を含めたグラフにすると、通常の複利すら平坦に見えてしまうほどの異次元の資産爆発が起きます。
このように、時間を味方にして連続増配銘柄に配当再投資を続けることで、資産を真の意味で指数関数的に増やすことができるのです。
得られる「年間配当金」の推移の比較
資産額だけでなく、毎年口座に振り込まれる「配当金」自体の増え方も比較してみましょう。
投資期間25年の年間配当金

投資期間50年の年間配当金

初期投資100万円に対し、増配を味方につけた配当金は年数を経るごとに雪だるま式に膨らんでいきます。
もちろん、すべての銘柄が永久に5%増配を続けられるわけではありません。しかし、アメリカの高配当・増配銘柄の歴史を見れば、この「増配複利のチカラ」がいかにサラリーマンの資産形成において強力な武器になるかが実感できるはずです。
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