こんにちは、てくです。前の投稿の「ダウ30銘柄の配当利回りと増配年数(2014年8月)」で、以下のように書きました。
VIX指数が20を越えたら、真剣に銘柄調査に入る感じですね。
いつからか、そう思ってたので、上記の記載をしました。
ただし、VIX指数が本当に買い時が判断できるか検証していないことに気がついたので、ちょっとだけ、調べてみました。
VIX指数とは
VIX指数とはボラティリティ インデックス(Volatility Index)の略称です。
このVIX指数はS&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出する指数です。
シカゴ オプション取引所(CBOE)がこの指数を公表しています。
VIX指数の意味
一般的にVIX指数は投資家の心理を表す指数として使われています。
数値の意味はおおよそ以下の通りです。
- 通常は10から20の間で推移すると言われています。
- 数値が低い時は投資家が相場の先行きに楽観している
- 数値が高い時は投資家が相場の先行きに不安を抱いている
投資家が相場の先行きに不安を抱いているときに上昇することから、VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれています。
VIX指数とS&P500の株価の関係
VIX指数とS&P500の株価の関係は以下の通りです。
こうしてみると、確かにS&P500が大きく下落しているときには、VIX指数は上昇していることが分かると思います。
VIX指数が20以上の時は買い場か
私が前の投稿で以下のように言ったのは正しいのでしょうか?
VIX指数が20を越えたら、真剣に銘柄調査に入る感じですね。
上記のグラフにVIXが20のラインを引いたのが以下のグラフになります。
見てもらえれば、分かると思いますが、1997年から2000年までS&P500は上昇をしていますが、VIX指数は20を越えています。
結果論ではありますが、VIX指数が20以上ではぱっと見で、本当の買い場ではないことが分かります。
前の投稿で20以上と言いましたが、お勧めしません。すいません(>_<)
VIX指数がいくらであれば買い時とみなせるか
VIX指数が20では物足りないのは上述した通りです。
ではどの程度であれば買い場とみなせるのでしょうか?
VIX指数がある閾値(20から50まで5刻み)を越えている日数を年別に算出してみました。
年 | VIX20以上 | VIX25以上 | VIX30以上 | VIX35以上 | VIX40以上 | VIX45以上 | VIX50以上 |
1990年 | 179 | 78 | 24 | 2 | 0 | 0 | 0 |
1991年 | 58 | 13 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 |
1992年 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1993年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1994年 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1995年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1996年 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
1997年 | 172 | 42 | 18 | 7 | 0 | 0 | 0 |
1998年 | 204 | 100 | 53 | 30 | 15 | 2 | 0 |
1999年 | 239 | 95 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2000年 | 202 | 78 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2001年 | 239 | 111 | 46 | 12 | 4 | 0 | 0 |
2002年 | 212 | 138 | 83 | 47 | 10 | 1 | 0 |
2003年 | 123 | 63 | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2004年 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2005年 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2006年 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2007年 | 85 | 28 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2008年 | 223 | 129 | 79 | 69 | 63 | 57 | 50 |
2009年 | 247 | 168 | 111 | 82 | 61 | 26 | 6 |
2010年 | 156 | 65 | 23 | 9 | 3 | 1 | 0 |
2011年 | 135 | 96 | 75 | 30 | 11 | 2 | 0 |
2012年 | 45 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2013年 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2014年 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
VIX指数が20から35までは暴落と言えないレベルの下落しかない1990年、1991年でも閾値を越えてますね(本当は下落率との関係を出した方がいいのですが・・・)。
VIX指数が35まではあまり、暴落の指標としては使えそうにありません。
VIX指数が50以上はサブプライムショックしか閾値を越えていないので、これも極端すぎるかなと思います。VIX指数が40から45位までが閾値としてはいい感じかと思います。
理由は以下の通りです。
- 1990年、1991年などの不要な小さな下落は避けることができている
- 2000年から2003年の長期での下落もある程度捕捉できている
- サブプライムショックを捕捉できている。
ただし、よくよく見るとVIX指数が45を越えても、S&P500はじりじりと下がり続ける面もあるので、その下げに耐える必要はあります。
VIX指数の活用の結論
私の結論は以下の通りです。
- VIX指数は暴落を示す指標となりうる
- 買い時を判断するVIX指数は40から45がよい
- ただし、VIX指数が40を越えたからと言ってもう下がらないわけではない。少しの間(1年くらい?)は下げに耐える必要がある
VIX指数の使い方としては以下がいいかなと思います。
- 40を越えたあたりでウォッチ銘柄調査開始
- ウォッチ銘柄で割安を特定
- 45を越えたあたりで購入
スイングトレードベースの元システムトレーダーの私からすると、メインに据えることができない物足りない指数に見えてしまいますが・・・
投資は自己責任でお願いします。
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